無料ブログはココログ

« 2017年12月 | トップページ | 2018年3月 »

2018年2月

2018年2月21日 (水)

くらし学際研究所2018年3月月例会・総会記念講演会のお知らせ

 3月24日(土)午後3時から、神戸市勤労会館404号室で、月例会・総会記念講演会を開きます。講師は、くらし学際研究所代表世話人の西澤信義さん、「カジノ戦争」と題して、お話しをします。 
  2016年12月に「統合型リゾート(IR)整備推進法」が成立し、この法律に加えて「実施法」が制定されればIRの名目のもと、カジノはいよいよ実現に向けて動き始めます。西澤さんはカジノ反対の戦いを、1840年代の「アヘン戦争」に擬して「カジノ戦争」とよび、ギャンブルで地域の活性化を図るのはいかに危険なものであるかを訴えます。

180324

チラシは
「180324.pdf」をダウンロード
すると、見やすくなります。 
 どなたも参加頂けます。このブログのコメント欄を通じてか、090-4566-8745(落合)にお申し込み下さい。参加費は500円です。

2018年2月 3日 (土)

2018年1月 月例会・公開講演会の報告

3
  2018年1月22日、くらし学際研究所は神戸市勤労会館で、公開講演会を開いた。演題は「衆院総選挙の結果と改憲阻止の展望」。講師は関西学院大学法学部教授の冨田宏治さん。司会は当研究所世話人の垂水英司さん。垂水さんは「2018年初の例会、非常に面白いテーマ」として開会を宣した。続いて、当研究所代表世話人の西澤信善さんが次のようにあいさつした。
大寒波の襲来で、不要不急の外出を控えるようにテレビでは言っていましたが、ご出席されたみなさん、有難うございます。昨年10月の総選挙を振り返ってみると、小池さんのブームが続くのか、しぼむのかと見ていたところ、明白な結果が出ました。「排除します」の発言でブームに水をかけてしまった。表現はともかく、明確にしたところは良かった。
前原さんが「名を捨てて実を取る」と言いましたが、政治家としてとんでもないことで、政策に殉じるべきです。このような敵失により自民党が勝利した。然しながら、「モリカケ」問題は解決してないから長引いています。複雑な総選挙について、講師の冨田先生にぜひ読み解いていただきたい。
つづいて、講師の冨田宏治さんは、専門は政治思想史、本日は客観的なデーターを使って、話をします。講義でパワーポイントを使うと文科省の覚えも目出度くなりますなどと出席者を笑わせながら演題に入って行った。講演内容の大要は以下のとおりである。

1.安倍政権の終わりの始まり
(1)ついに解散総選挙へと追い込まれた安倍政権
 森友問題、加計問題の噴出。稲田防衛相の失言。豊田議員など「魔の2回生」議員の不祥事続出、などで安倍首相への信頼感が劇的に揺らいだ。そのような時期、昨年7月2日に投開票された東京都議選は小池知事結成の都民ファーストの大躍進で、自民党は歴史的な惨敗。世論調査における内閣支持率は劇的に低下、安倍「一強」の崩壊かと報じられた。
 安倍内閣は昨年6月22日に、民進、共産、自由、社民の4野党が憲法53条に基づいて臨時国会の召集を要求したのにもかかわらず、国会での追及を逃れるために、開会を引き延ばしてきた。9月28日、「モリカケ」問題の追及から逃れるために、安倍首相は臨時国会冒頭で解散に打って出た。「僕難突破解散」とも揶揄され、「大義なき解散」「錯乱の冒頭解散」などと報道された。
(2)民進、共産、自由、社民の4野党は、次期総選挙での協力を合意していた
 「日経」2017年9月23日付によれば、安倍首相は今なら自公で40議席減の280議席確保が可能との調査結果を踏まえて賭けに出たという。しかし、その調査は、野党の選挙区における候補者一本化を全く想定しないものであった。民進、共産、自由、社民の4野党党首は6月8日に会談、安倍政権下での憲法9条改悪に反対し、次期総選挙で協力することに合意していた。4野党は更に市民連合とも総選挙へ共通政策を確認、協力を約束した。朝日、毎日、日経などの試算では、小選挙区59~61で与野党逆転、自民党は単独過半数割れへ、と予想。「本気の共闘」が実現すれば、逆転選挙区はそれどころではなくなる。自民党下村幹事長代理によれば、自民党は86選挙区で逆転、88逆転すれば、自公でも過半数割れとの推測を示していた。「僕難突破解散」は市民と野党の共闘にとって絶好のチャンスとなるはずであった。
(3)民進党の裏切りと小池「希望の党」の出現で混乱
 昨年9月1日、民進党代表に前原誠司氏が就任。都知事の小池百合子氏が「希望の党」を9月27日結党。民進党は前原氏の提案で同日、希望の党への合流を全員一致で決定。これは、4野党合意や市民連合との約束への裏切り行為である。
 ところが、希望の党代表の小池氏は「改憲」や「安保法制」を容認しないものは合流を認めないと、選別「廃徐」の姿勢を記者会見で示した。これで、民進党は大混乱に陥った。
 小池氏の「選別・排除」発言は、野党大結集、政権奪取をあおってきたメディアの風を止め、国民の期待も急速に離れることになった。
(4)国民の成長、反撃ののろしは上がった
 2年間に及ぶ市民と野党の共闘の努力は前原氏の裏切りで一瞬にして瓦解するのか、と危惧された。しかし、国民は成長していた。安倍や小池、松井(維新)などのポピュリストVSポピュリストの構図から自公希維VS市民と野党の共同の構図へ発展していたのである。
10月3日、民進党の枝野幸男代表代行は同党に離党届を提出、立憲民主党を立ち上げ、希望の党へは合流しない民進党議員らに参加を呼び掛けた。立憲民主党の結党を見て日本共産党は67選挙区で候補を取り下げ、249選挙区で立憲野党候補一本化が実現した。 総選挙は、まるでオセロゲームのように展開した。4野党と市民共闘により、全面を白が覆うかに見えた盤面が、前原の裏切りで、一瞬にして一面真っ黒に。しかし、「排除」の一言で、盤面に次々と白が復活した。それは、決して「あきらめない市民」と共産・社民が隅を死守していたからである。形勢逆転のキーワードは「排除」と「寛容」であった。

2.政治的激動の時代
(1)ポピュリストの跋扈
 世界的に、市場原理主義とグローバル化の行き着いた先は、貧困と格差の恐るべき拡大である。アメリカでは上位1%の資産が下位90%の資産を超え、日本でも上位40人の資産が下位50%の資産を超えている。下位30%は資産ゼロである。国際NGOオックスツァムの調べでは、世界で最も裕福な8人の資産は下位50%、36億7500万人の資産とほぼ同じという。中間層の没落と崩壊、不寛容とポピュリズムが広がっている。
 政治の社会では、トランプ米大統領、ル・ペン仏国民党党首、橋下徹元維新代表、安倍晋三首相ら、ポピュリストが国内外で跋扈している。移民、民族的マイノリテイ、宗教的少数者、性的マイノリテイ、障がい者など弱者に責任を転嫁。エリート、官僚、公務員、学者も標的にされている。叩けさえすれば、敵は誰でも良いのである。憎悪と排斥、ヘイトクライムが野放しになり、人権、「個人の尊厳」を建前として否定、本音で語るリーダー待望論である。
 例えば、維新公認で千葉1区から出馬、落選した(比例も落選)長谷川豊氏は、維新の本質を次のように自らのブログで曝け出して見せた。「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!」。弱者へのむき出しの憎悪をあおり、弱者を公務員が助けているとして公務員バッシングも行っているのである。
(2)北朝鮮・韓国・中国への敵愾心を煽る日本型ポピュリズム
 朝鮮戦争(1950~53)はいまだ休戦中である。平和条約は未締結である。北朝鮮のねらいは、米朝交渉によって平和条約締結、それによって体制保障を求める。対等な米朝交渉のためには軍事大国化が必要であり、核武装により、「大国クラブ」の一員入りを目指すというのが北朝鮮の作戦である。
 だから、北朝鮮による核ミサイル開発の目標は、アメリカ本土に直接到達する長距離ミサイル=ICBMに小型化した水素爆弾を搭載することである。アメリカ本土に核攻撃ができてこそ、核ミサイルは「核抑止力」として意味を持つ。核ミサイルの「使用の威嚇」によってこそアメリカは北朝鮮に手を出せなくなる。これによって米朝交渉を実現させ、体制を維持へと持って行く。というのが北朝鮮の狙いである。北朝鮮のミサイルはアメリカ本土が狙いである。
ちなみに、北朝鮮からアメリカ本土を狙ったミサイルは、まったく日本上空を飛ばない。ロシアのはるか上空=宇宙空間を飛んでアメリカ本土に到達する大陸間弾道ミサイル(ICBM)に、日本のミサイル防衛体制は全く無関係。全く意味をなさない。Jアラートは国民の危機感を煽るためだけの悪質なフェイクである。何故なら、「領空」は大気圏までであり、ミサイルの軌道は、国際宇宙ステーションの軌道よりもはるかに高い宇宙空間を飛び、太平洋上に落下しているからである。しかし、もし、アメリカが軍事行動を起こせば、北朝鮮が保有するノドンミサイル200発がアメリカの同盟国である日本の全土を射程内に入れていることから考えて、日本国内に甚大な被害が生じることは明らかである。だから、軍事行動ではなく「対話」しかないのである。
(3)「野党は共闘!」を迫る市民社会
 米国ではオキュパイ運動と大統領候補指名選挙での自称、民主的社会主義者サンダース候補の健闘があった。もし、サンダース氏が民主党の候補に指名され、トランプ氏とたたかったならサンダース氏が勝利していたとの予想もある。英国では、イギリス労働党コービン党首の再選と総選挙での接戦で、支持率が高まっている。スペイン・ポデモスなど新たな民主的政党の台頭がある。さらに、オーストリア大統領選での中道左派候補の勝利、等々、世界では「99%の側の反撃」と政治的激動が始まっている。キーワードは「寛容」である。この本質に触れたから、「不寛容」の小池氏は急速に風を失った。
 日本では、安倍暴走政権の「戦争する国づくり」に抗して、立憲主義・民主主義・平和主義・個人の尊厳を掲げる、SEALDs、ママの会など市民連合の声にこたえて「市民と野党の共闘」と野党統一候補が実現した。
 小泉純一郎氏、小沢一郎氏、橋下徹氏などが進めてきた「小泉構造改革」「政権交代」「ハシズム」をもたらしたポピュリズム的政治手法の限界が明らかになった。「風」に煽られ、「構造改革」や「政権交代」に期待を裏切られ、ハシズムにも愛想を尽かした1000~2000万の大量棄権層が登場した。わが国の政治戦においては、空中戦から組織戦・陣地戦へと移っている。今後の課題は、「風」に煽られず、行き場を失った大量棄権層(=政治に失望した人々)に、対面的な政治対話を通して強固な支持を広げる組織戦・陣地線の時代へはいったのである。

3.2005年衆院選から2016年参院選までの国政選挙の投票動向
(1)2000万の大量棄権層
 2016年参院選の投票率は54.70%(前回2013年は52.61%)。10代の増加分を除けば、前回参院選より380万票程の増に止まる。「風」は吹かず、止まったまま。2000万の大量棄権層の大半は、今回も棄権に回った。A
 自民の増加分は、旧「次世代の党」・旧「維新」からの出戻り分か。
 「風」だのみの「空中戦」から、地を這うような「組織戦」「陣地戦」への展開を大阪の投票動向で見ることができる。
 投票率・得票数(大阪市内)
  統一地方選 約50% 約100万票
  住民投票  約67% 約140万票
  W選挙 約50% 約100万票
 大量棄権層(全国で2000万)のうち40万が住民投票では投票所に出向いている。しかし、W選ではまた棄権に戻っている。自民にも、民主にも、維新にも愛想を尽かした大量棄権層の存在が明白である。かつては「風」に吹かれて、小泉構造改革を支持し、民主党の政権交代を支持し、橋下維新を支持したが、裏切られて棄権層となった。
(2)32の1人区すべてで野党統一候補
 2016年の参院選では、民進、共産、自由、社民の4野党が32の1人区すべてで候補者を統一した。内訳は、民進15、無所属16、共産1である。選挙結果は野党統一候補が11勝21敗である。野党統一候補の選挙区票は野党の比例票合計を1.7倍も上回っている所もあるなど、与党の比例票をも取り込んでいることがわかる。調査では公明党支持者の4割が野党統一候補に投票したとの選挙区もある。
安倍自公政権とメディアによる徹底した改憲隠しにも関わらず、改憲勢力は前回89から77へ12減。32の1人区における野党統一候補が11勝21敗と健闘した結果である(前回1人区で野党は2名のみの当選)。
B
 全体では、自公などの改憲勢力は改憲発議に必要な3分の2の162を超えることになったが、3年後の2019年参議院選挙で改憲勢力が引き続き3分の2を確保するのは至難の技(次回の改憲ラインは85)。改憲勢力は折角確保した参議院での3分の2だが、タイムリミットは3年間である。安倍首相はワンチャンスにかけることになる。
 参院選から3か月後に行われた新潟知事選では野党統一候補の米山隆一さんが圧勝した。
  米山隆一 528455 当選
  森 民夫 465044
   投票率 53.05%(前回43.95%) 前回比9.1%上昇
 共産、自由、社民推薦。民進は自主投票。森候補は、自民、公明推薦、連合支持。野党統一候補の威力を発揮した選挙結果である。なお、NHKの出口調査では、自民支持層の30%弱、公明支持層の約25%が米山氏に投票したという。

4.2017年解散総選挙の結果(2017年9月28日解散、10月10日公示、同月22日投開票)
(1)議席数で見てはダメ
 表の説明:解散後の議席数は定数10減。公示前勢力は解散後の党は異動を含む(欠員3、民進の不出馬7人は除く)。自民当選者には無所属から追加公認された3人を含む。
無所属は与党系、野党系その他に分類。総議席定数465、過半数233,3分の2は 310.
C
小選挙区制度の結果、獲得議席数では、与党が圧勝という形になっているが、衆院選の比例得票数で見れば下記の表の様に与党に勝つことができる。D
民進党が割れていなかったら希望+立民+共産=2516となり、これに社民の約100万を加えると2600万超となり、数字的にも自民、公明を上回り、大量棄権層の2000万をひきつけることができれば勝利することができる。
議席数だけで見ても、自民が294から284、公明が34から29、希望が57から50、維新が14から11、と合計25減に対して、立憲民主が15から55、社民が2から2、共産が21から12、と合計31増となり、立憲野党が31議席増との見方もあるがこれは気休めだ。
(2)野党候補が一本化していれば、63選挙区で逆転(自公:310→250)
 比例票について、立民の約1100万、希望の約970万はどこから来たのかを分析すると大体、次のようなことが推測できる(2014年→2017年)。
 18―19歳の選挙権付与により、投票率微増している。総投票数は5294万→5576万と280万増(棄権層)である。各党の得票数の減少は計700万。維新838万→339万と500万減。これは希望に行ったと考えられる。公明731万→698万と30万減。共産606万→440万と170万減。これは立民に行ったと考えられる。民主978万→立民+希望は2076万と1100万増。
 民主の票を立民と希望が分け合い、維新の500万は希望に、共産・公明・棄権層の500万は立民に行ったと考えられる。
 結果論ではあるが、前原前民進代表の裏切りがなく、立憲4野党の候補者一本化が実現しておれば、野党分裂型小選挙区226のうち与党の183勝は63選挙区で逆転し与党120勝、野党は43勝が106勝となり、与党の圧勝とはならない。勢力拮抗する。与野党一騎打ち型選挙区57でも与党39勝、野党18勝で、安倍自公は250議席で過半数は維持できたとしても、安倍退陣は避けられなかった。

5.世論は安倍続投を支持せず
(1)安倍首相の政策に不安54%
2017年10月22日投開票の総選挙結果では安倍政権与党である自公は3分の2超の議席を得ているが、世論は安倍続投を支持していない。
 総選挙直前の世論調査がある。
  毎日新聞10月16日付は
   「衆院選後、安倍首相が首相を続けることが良いか」という問いに対し、
     良いと思う 37% 良いとは思わない 47% 無回答 16%
  朝日新聞10月19日付は
   「安倍さんに今後も首相を続けてほしいと思うか」という問いに対し。
     続けてほしい 34% そうは思わない 51%
 と「毎日」「朝日」両紙ともで、続投の支持は少数派である。
 総選挙直後の10月23日、24日に朝日新聞が行った世論調査の結果がある。衆院選の結果を受けて、自民党と公明党合わせて定数の3分の2を超える議席を得たことについての調査(電話による)結果である。
   獲得議席数について
     多すぎる 51% ちょうど良い 32% 
   安倍首相が進める政策について
     期待 29% 不安 54%
 衆院選の前後を通じて、安倍首相に対する続投支持どころか、不安だというのが世論である。
(2)安倍政治との闘いの新たな段階
 ①安倍首相改憲の野望の決意表明
安倍首相は昨年10月22日の総選挙の開票結果を受けて、改憲について次のように述べている。「憲法改正は国民投票で決まるわけですから、国民の皆さまの理解が深まっていくことが大切。そのためにも憲法審査会に各党が案を持ち寄り、建設的な議論をしていくことが必要であると考えています。私たちの案を具体的に取りまとめ、できるだけ多くの方々に賛成していただくように汗を流していきたい」。
 そして、2018年年頭会見で安倍首相は、「改憲」の決意を次のように強調している。
「この国の形、理想の姿を示すものは憲法であります。戌年の今年こそ、新しい時代への希望を生み出すような憲法のあるべき姿を国民にしっかりと提示し、憲法改正に向けた国民的議論を一層深めていく。自由民主党総裁として、私はそのような1年にしたいと考えています。」「各党における、今後ですね、憲法審査会において活発な、建設的な議論が行われ、そして、具体的な案を持ち寄りながら議論が進んでいく。その中で国民的な理解も深まっていく。スケジュールありきではありません。与党、野党にかかわらず、広い合意が形作られることが期待されています。」
 ②タイムリミットは2年間
 2018年は安倍政治との改憲をめぐる全面的な対決が始まる年になる。タイムリミットは2年間である。安倍首相にとって、次回参院選での3分の2の議席確保は至難の技であるからである。安倍首相は、このワンチャンスを活かすために必死の覚悟で攻め込んでくる。立憲主義・民主主義・平和主義を守る闘いの正念場の2年間になる。
 そのような時期に昨年総選挙で、部分的であるが野党統一候補が実現し、野党第1党に立憲民主党がなったのは非常に重要な意義がある。国会運営上、野党第1党の役割は大きく重要であり、影響力も大きい。公明党は野党第1党の合意なしの改憲発議には明確に反対している。国会の慣例を踏みにじる乱暴な運営が続く場合、野党だけでなく国民世論から猛烈な批判を浴びることになる。たとえ、議会発議にこぎつけても国民投票で過半数の支持を得ることが困難となろう。
 ③改憲勢力も一枚岩ではない
 毎日新聞の昨年10月24日付に、当選議員アンケート結果を次のように報じている。
  改憲について 賛成82% 反対13% 無回答・その他 5%
  改憲には賛成だが 9条へ自衛隊明記 賛成 54% 国防軍 9% 反対 24% 
                    無回答・その他 13%
 などとなっており、3分の2の合意が得られるか保証はない。強行採決で発議しても国民投票が待っている。
 少し古いが、2015年11月、自民党結成60年に際しての朝日新聞の自民党員・党友対象の調査がある。それによれば、次のようになっている。
 憲法改正を早く実現した方が良い 34% 急ぐ必要はない 57%
 憲法9条を変える方が良い    37% 変えない方が良い 43%
憲法9条をメインに改憲に前のめりの安倍首相とは自民党員・党友の認識は異なる調査結果である。自民党議員、自民党員・党友を見ても一枚岩とは言えない状況がある。

6.新潟の様に闘えば「安倍改憲」を打ち破ることができる
(1)「いまの憲法を変える必要はない」は国民の多数派
 2017年12月、日本世論調査会が憲法に関する世論調査を行った。結果は下記の表のとおりである。
E
このような国民世論が形成されている中で、安倍首相が2019年7月の参議院選挙までに改憲発議を強行すれば、乱暴な強行採決による発議を受けての国民投票での決着となる。もし、そうなれば、大阪住民投票のように大量棄権層が動けば改憲案は否決となる。また、2019年7月の参議院選挙まで、安倍首相の改憲発議を阻止することができれば、市民と野党の共闘で統一候補を全国に擁立し参院選を闘うことができる。そして、参議院で改憲発議に必要な3分の2を割らせることができる。現に、昨年の衆院選において、新潟県内の6選挙区のうち5選挙区で、野党候補が一本化された。投票率は前回52.71%から10%も上昇し、62.56%となった。結果は、1区、2区、3区、4区で野党候補が当選。5区は前知事に10000票差、6区では落選はしたが、2000票差まで肉薄した。このような新潟の経験を全国に広げることができれば、安倍「改憲」阻止を展望することができる。
野党3党の比例票と候補者一本化された候補の小選挙区得票を比べると約2倍近い差のあるところもある。この様な共闘の成果と実態を見れば、安倍は怖くて国会発議ができなくなる。
(2)敷布団と掛布団
 政治学者で「市民連合」の中心メンバーである中野晃一さんは、SEALDs、ママの会、学者の会などの新しい市民の運動を「掛布団」に、従来の民主運動、平和運動、労働運動を「敷布団」に例え、次のように言っている。「敷布団」の上に掛かって初めて「掛布団」に意味がある。「掛布団」だけでは風邪をひく。「敷布団」だけでも風邪をひく。
 いわゆる地道に運動を続けてきた労働運動などと最近の若者たちの結合した運動の重要性とその役割を的確に指摘したものと言えよう。民主党による政権交代に失望が深い人々は簡単には動かないが、この2000万の大量棄権層をターゲットとした政治的対話による組織戦・陣地戦は、地味で、地道で、地を這うような「敷布団」の役割である。
 「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」は、2018年5月に向けて、3000万署名を提唱し、取り組まれている。立憲野党は2500万得票の実績があり、ぜひとも成功させ、安倍改憲を断念に追い込まなければならない。

« 2017年12月 | トップページ | 2018年3月 »